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1億度プラズマを30秒維持した韓国KSTARとは?核融合炉の仕組みやメリット、今後の展望をわかりやすく紹介

こんにちは。今回は、韓国が開発している核融合炉「KSTAR」についてご紹介します!

韓国KSTAR、1億℃の「人工太陽」プラズマ持続時間20秒を達成。目標は2025年までに300秒

 

核融合炉とは、太陽のエネルギー源である核融合反応を人工的に再現する装置で、将来的には無尽蔵のクリーンエネルギーを生み出すことが期待されています。

 

しかし、核融合反応を起こすには、水素原子を超高温・高圧のプラズマ状態にして衝突させる必要があり、そのプラズマを安定して制御することは非常に困難です。そこで、強力な磁場を使ってプラズマを閉じ込める「トカマク型」の核融合炉が世界中で研究されています。

 

 

## KSTARの特徴と実績

 

KSTARは、韓国が2008年から運用しているトカマク型の核融合実験装置です。KSTARは「Korea Superconducting Tokamak Advanced Research」の略で、「韓国超伝導トカマク先進研究装置」という意味です。

 

KSTARの最大の特徴は、プラズマを閉じ込めるための磁石が全て超伝導材料で作られていることです。これにより、低温で高強度の磁場を発生させることができ、長時間のプラズマ維持や高性能なプラズマ制御が可能になります。

 

KSTARは、これまでに数々の世界記録を樹立してきました。2018年には、1億度という太陽のコアよりも高い温度のプラズマを1.5秒間維持することに成功しました。

 

2019年には、同じ温度のプラズマを8秒間維持しました。そして2020年には、さらに記録を更新して20秒間維持しました。そして2022年9月には、1億度のプラズマを30秒間維持することに成功しました。

 

これらの実験結果は、科学雑誌「Nature」や「New Scientist」などで取り上げられ、世界中から注目されました。

 

 

## KSTARが目指すもの

 

KSTARは、核融合反応を実用化するために必要な技術や知識を開発することを目的としています。

 

特に、KSTARは「ITER」という国際的な核融合計画に参加しており、その一翼を担っています。「ITER」は、「International Thermonuclear Experimental Reactor」の略で、「国際熱核融合実験炉」という意味です。

 

ITER」は、フランスで建設中の巨大なトカマク型核融合炉です。「ITER」は、2025年に稼働を開始し、2035年には核融合反応によって発生するエネルギーが入力エネルギーの10倍になる「点火」を達成することを目指しています。

 

KSTARは、「ITER」の前段階として、プラズマの安定性や制御性、加熱や燃料供給などの技術を開発し、「ITER」に貢献しています。また、「ITER」の次に計画されている「DEMO」という実用化段階の核融合炉に向けても、基礎的な研究を行っています。

 

 

## KSTARの今後の展望

 

KSTARは、今後も核融合炉の実現に向けてさまざまな実験を行っていきます。2023年には、1億度のプラズマを60秒間維持することを目標としています。

 

また、装置のアップグレードや改良も進めており、プラズマ加熱や診断装置などの性能向上や多様化を図っています。さらに、国内外の研究機関や大学との連携も強化しており、核融合科学や工学の発展に貢献しています。

 

KSTARは、韓国が世界に誇る核融合炉です。核融合炉は、地球上で最も豊富な水素を使って無尽蔵のエネルギーを生み出すことができる夢の技術です。しかし、その実現にはまだ多くの課題があります。KSTARは、その課題に挑戦し続ける先進的な実験装置です。KSTARの最新情報や成果にぜひ注目してください。